水曜日, 12月 14, 2016

共通の楽しい体験が みたて・つもり遊びにつながる(野田恵子)

 失礼します。幼児教育コース3年野田恵子です。今回は保育内容の指導法(人間関係)の授業で、『共通の楽しい体験が みたて・つもり遊びにつながる』という事例(愛知: みよし保育園 二歳児クラスの保育実践 ちいさいなかま編集部(編) 保育のきほん2・3歳児 ちいさいなかま社)について討議し、考えたことについて取り上げていこうと思います。

 この実践では、発達がゆっくりなAくんが、どうしたらみんなとのつもり遊びを楽しむことができるようになるか、保育者が働きかけを変えながら支援していく実践でした。
 バスごっこを1人でしているAくんを遊びのリーダーにして、Dちゃんと保育者が加わって楽しかったという経験をしたり、誕生日のごっこ遊びをした次の日に本当の誕生日会があり、全員、共通のイメージを持つことができたり、やきやきパーティを通して共通体験をし、共通のイメージを持てたことでその後の遊びを深めたり、実践の中で段階を踏みながらAくんがみんなとのつもり遊びを楽しめるようになるという実践でした。
 そして討議では、「2歳児において発達差が大きいときにイメージの共有をする上で大切なことは何か、また、そのイメージの共有を遊びに活かすには保育者がどのように支援するべきか」の論点で討議しました。
 発達がゆっくりな子にとって、言葉をたくさん使ったイメージの共有は難しく、子ども同士での見立て遊びの発展がしにくかったり、トラブルになったりしていました。実践であったバスごっこのように、簡単にバスをイメージできるみたて遊びは子どもたちにとってわかりやすく、Aくんがやりたい遊びだったため、「楽しい」と感じる共感関係ができました。楽しかった共通の体験が、共通イメージとなり、みたて遊びを深めていきます。このとき、保育者は発達差を考えながら、子どもの気持ちやイメージの代弁をするなどの支援をすると子ども同士のイメージを繋げる働きをし、遊びが深まり楽しくなっていくと考えました。
 また、共通の楽しかった経験が共通のイメージになり、全員で遊ぶことで、友達を感じながら遊ぶという楽しさにつながっているように思います。ここで、共通の楽しかった経験は、なければ作ればいいのではないかという考えも聞くことができました。確かに、一人一人経験に差がある場合、イメージも違い、楽しいはずの遊びがバラバラになることが多いと感じます。子どもたちが共通のイメージを持てるようにするためには、活動で同じ経験をし、感じることが大切なのではないかと考えます。

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