12/27/2016

あそびのなかでとがった心をほどいて(遠山楓)


  失礼します。特別支援教育コース3年遠山楓です。今回は保育内容の指導法(人間関係)で『あそびのなかでとがった心をほどいて』という事例(愛知県・けやきの木保育園ちいさいなかま(全国保育団体連絡会/ちいさいなかま社), 555号(2011)に所収)から、考えたことについてまとめます。

「自分-相手」の世界を理解でき、友だちの心に寄せあうことができるようになる3歳児。保育者である和田先生は子どもの気持ちを受けとめるだけでなく、つもりの世界でのあそび、保育園全体と家庭でも子どものドキドキなどの気持ちを受けとめるといった働きをおこなうことで、3歳児が大人にも子どもにも安心し自分の気持ちを表現できるようになる実践でした。

ディスカッションでは、主に二つについて話し合いました。
まず、「保育者が子ども気持ちを受けとめてからの、一歩踏み込んだ援助」について話し合いました。和田先生が子どもの気持ちを受け取るだけでなく、みかん組みんなで「つもりの世界を入れた追いかけあそびや対決あそび」といった共通の体験をから、子どもに「楽しい遊びとそれを一緒に感じ取れる仲間がいれば、ありのままの自分を出せる!」といった「安心感」を与えていました。グループでの話し合いの中で、子どもの気持ちを大人だけでなく友だちが受けとめるように保育者が代弁や仲介をして子ども同士をつなげる大切さ、一人ひとりの子どもが活躍できる場を作り自分に自信をもてることで気持ちを伝えることにも自信がもてるのではないか、といった話が出ました。
次に、「3歳児のドキドキを安心へと変化させるための援助」について話し合いました。ここでポイントとなったのが、実践にも何度も出てきた「ドキドキ」という感情です。例えば「初めてで不安だけどやってみたい!」といった、「不安」というマイナスと「やってみたい」というプラスといった2つのドキドキがあります。3歳児のどちらのドキドキも受けとめること、安心できる連続性のある生活の中で初めてのドキドキを体験することで、ドキドキが安心へと変化できるのではないかという話が出ました。

最後に、家庭を含めた安心感について考えました。保育園は子どもを認めるのと同じくらい、保護者である大人を認めることが大切です。大人も自分の頑張りや不安を誰かに受けとめられる経験がないと、子ども気持ちを受けとめないといった悪循環が生まれてしまうことがあります。Kくんのお母さんのように、保育所が表面を取り繕う場所ではなく悩みや弱音も表出できる安心できる場所になるように、保育園は大人のマイナスとプラスのドキドキを受けとめることが大切です。

  

  以上のディスカッションから3歳児が自分以外の友だちに関心をもち、自分の体験とだぶらせて心を寄せることができるために、保育者は「楽しいあそび」「一緒に感じる仲間」「家庭も含めた安心できる場所」を支えることが役割であることを学びました。

12/25/2016

むずかしそうだけど友だちみたいにやってみたい!(稲葉明日香)


失礼します。幼児教育コース3年の稲葉明日香です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で、『むずかしそうだけど友だちみたいにやってみたい!』という事例(香川県:こぶし中央保育園 3歳児クラスの保育実践 ちいさいなかま編集部()2010 保育のきほん2・3歳児 ちいさいなかま社)について討議し、考えたことを書きたいと思います。


 この事例は、自分で友だちと素直にかかわることがまだ難しい子どもたちに対して、友だちの存在に興味を持ったり、気持ちよくかかわったりできるように、保育者はどう援助していったらよいか、といったものでした。この保育者の方は、「心と体を目いっぱい動かし、みんなでワクワクして共感し合える遊びをしていこう」といったねらいを持って保育していました。具体的な手立てとしては、絵本「おたまじゃくしの101ちゃん」を基盤につもり遊びを行っていきました。そこで、子どもたちは「ザリガニ親分を倒すために強いカエルになる!」といった共通の目標を持つようになります。そして、友だちの姿を見て頑張ろう、と思ったり、友だちに教えてあげる子どもの姿などが見られるようになってきました。


 3歳児クラスの子どもたちは、友だちに興味を持ち始めることができるようになってきますが、一人ではうまくかかわることができないこともあります。だからこそ、保育者の援助が大切となってくるのだということを学びました。子どもたち同士が楽しくかかわるには、楽しいと思える時間を友だちと共有することです。その楽しいと思える時間は、共通のイメージを支えとして展開される遊び、この事例で言えば、「おたまじゃくしの101ちゃん」のつもり遊びです。どういった遊びを提案していくかということも重要だと思いました。子どもたち一人一人も目いっぱい心と体を動かせる、そしていっしょが楽しいと思えることが重要だと感じました。


 また、だんだん周りが見れるようになってくることによって、周りができて、自分ができないということに敏感になってくる時期でもあります。「友だちみたいにやってみたい!」と子どもが思えるようになるには、まず、保育者がその子自身を受け止める、認めるところから始まると思いました。受け止められることによって、自分に自信を持つことにつながっていき、不安だけどやってみたいという気持ちを支えることにつながっていくのではないかと考えます。しかし、保育者だけの承認ではなく、「なかまからの承認」といったことがこの時期、大切になってくるのかなと思いました。周りがだんだん見え始めるからこそ、なかまからの承認って、とても嬉しいものになっていくのかなと思います。

また、保育者が自分を認めてくれたことがモデルとなり、その子自身が周りを見たり認めたりするきっかけになっていくのだということも出ました。そうやって、保育者がモデルやパイプになって、子どもの世界を広げていくことが大切だということを学びました。

12/20/2016

雨降りいも掘り遠足へ出発!(杉本悠)

失礼します。学校教育基礎コース心理領域3年杉本悠です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で『雨降りいも掘り遠足へ出発!』という事例(横浜市:鳩の森愛の詩あすなろ保育園3歳児クラスの保育実践 現代と保育(ひとなる書房)61号)を読み、考えたことについて書いていきたいと思います。
この実践では、ことばで相手とやりとりし合うことで、今まで「自分だけ」の世界で生きてきた3歳児が「自分以外の」他者と出会う4歳児へ成長していく様子に注目していました。
 
討議を行う上で、特に意識した論点は、①3歳児から4歳児へそだっていくなかでのごっこ遊びには、そんな意味があるのか、②保育者(担任/他の保育者)としてどのようなかかわりが考えられるか、以上の2点です。
 
ディスカッションの中で、友達とのかかわりが大きく関係しているという話がありました。3歳児ならではのごっこ遊びについて考えた時、今までこだわりが強かったものが成長とともに共感を覚え、共通体験を通すことで、視野を広げることができていると感じました。友達の発言に耳を傾けたり、気付きが多くなったりと、実践の中でも取り上げられていた場面を振り返りつつ、実習中の出来事を改めて振り返り、情報を共有することができました。
また、それに加えて保育者としてのかかわりについて意見を交わし合いました。保育者が流れを作るのではなく、子どもたちの気付きやひとことによって活動を広げていく臨機応変な対応が必要であると考えられます。
 
3歳児から4歳児への移行の時期だからこそ、子どもたちにとって友達とのかかわりのきっかけとなるような活動が出来たら、と思います。その活動の中で輪を広げイメージを膨らませることが、3歳児ならではのごっこ遊びのねらいになるのではないかと考えます。その具体的な手立てとして、保育者の声掛け(活動のきっかけとなるひとこと)や、環境設定(頭の中のイメージと繋がりやすいもの)が挙げられると思います。子どもたちにとって、たまらなく楽しいと思える活動を目指していきたいと思いました。

12/14/2016

共通の楽しい体験が みたて・つもり遊びにつながる(野田恵子)

 失礼します。幼児教育コース3年野田恵子です。今回は保育内容の指導法(人間関係)の授業で、『共通の楽しい体験が みたて・つもり遊びにつながる』という事例(愛知: みよし保育園 二歳児クラスの保育実践 ちいさいなかま編集部(編) 保育のきほん2・3歳児 ちいさいなかま社)について討議し、考えたことについて取り上げていこうと思います。

 この実践では、発達がゆっくりなAくんが、どうしたらみんなとのつもり遊びを楽しむことができるようになるか、保育者が働きかけを変えながら支援していく実践でした。
 バスごっこを1人でしているAくんを遊びのリーダーにして、Dちゃんと保育者が加わって楽しかったという経験をしたり、誕生日のごっこ遊びをした次の日に本当の誕生日会があり、全員、共通のイメージを持つことができたり、やきやきパーティを通して共通体験をし、共通のイメージを持てたことでその後の遊びを深めたり、実践の中で段階を踏みながらAくんがみんなとのつもり遊びを楽しめるようになるという実践でした。
 そして討議では、「2歳児において発達差が大きいときにイメージの共有をする上で大切なことは何か、また、そのイメージの共有を遊びに活かすには保育者がどのように支援するべきか」の論点で討議しました。
 発達がゆっくりな子にとって、言葉をたくさん使ったイメージの共有は難しく、子ども同士での見立て遊びの発展がしにくかったり、トラブルになったりしていました。実践であったバスごっこのように、簡単にバスをイメージできるみたて遊びは子どもたちにとってわかりやすく、Aくんがやりたい遊びだったため、「楽しい」と感じる共感関係ができました。楽しかった共通の体験が、共通イメージとなり、みたて遊びを深めていきます。このとき、保育者は発達差を考えながら、子どもの気持ちやイメージの代弁をするなどの支援をすると子ども同士のイメージを繋げる働きをし、遊びが深まり楽しくなっていくと考えました。
 また、共通の楽しかった経験が共通のイメージになり、全員で遊ぶことで、友達を感じながら遊ぶという楽しさにつながっているように思います。ここで、共通の楽しかった経験は、なければ作ればいいのではないかという考えも聞くことができました。確かに、一人一人経験に差がある場合、イメージも違い、楽しいはずの遊びがバラバラになることが多いと感じます。子どもたちが共通のイメージを持てるようにするためには、活動で同じ経験をし、感じることが大切なのではないかと考えます。

12/10/2016

身ぶり表現・ごっこ遊びってこんなに楽しいっ!(東 泰穂)

 失礼します。幼児教育コース3年東泰穂です。今回は保育内容の指導法(人間関係)の授業で、『身ぶり表現・ごっこ遊びってこんなに楽しいっ!』という事例(大阪:さくら保育園 二歳児ひまわり組の保育実践 ちいさいなかま編集部(編) 保育のきほん2・3歳児 ちいさいなかま社)についてみんなで考えたことを書きたいと思います。




 


   この事例のなかで保育者は、生活再現ごっこや身ぶり表現が大好きな二歳児の子どもたち一人一人のイメージの世界をうーんと広げ、そしてさらに豊かに友達にも広げていってほしいという願いを込めて保育を行っていました。子どもたちは保育者が紹介した『とんぼのあかねちゃん』という絵本をきっかけに、実際に絵本のなかに登場するとんぼのあかねちゃんやクモと出会ったり、ヤゴをクラスで育てたりすることによって、イメージをより豊かにしていきました。その経験によって、運動会種目『とんぼのあかねちゃんごっこ』では、子どもたちの表現が具体的でいきいきとしたものになっていきました。


 


 この事例を読み、みんなで話し合ってみて、二歳児の身ぶり表現やごっこあそびにおいて、イメージの共有と気持ちの共有が大きなポイントになってくると考えました。そのイメージの共有に欠かせないのが、「見る・触れる・感じる」などといった実体験であり、友達と一緒に実際に出会うからこそより感動が大きくなると思います。そしてその感動を保育者やまわりの友達に伝えることによって、気持ちが共有でき、楽しさを膨らませることができると思いました。自分一人ではなく、友達に自分の「楽しい!うれしい!」という気持ちも共感してもらえることで、より自然に表現できるようになったのではないかと感じました。




 


   このように子どもたちが友達とイメージや気持ちを共有するためには、保育者が共通体験できるようなものを作っていくことが大切だと思いました。今回の事例で考えると、とんぼやクモに出会えるような場所に遊びにいったり、触れ合えるような機会を設けたりと保育者がきっかけを作っていくことで、子どもたちもその世界に入っていけるのだと感じました。また、子どもたちのイメージを広げるには絵本との出会いも大きいのではないかと考えます。一つの絵本という同じ世界のなかに入り込むことで、共通のイメージも生まれてくると思いました。絵本はくり返し手に取ることができるという良さもあると思うので、子どもたちが手に取りたいときに手に取れるような場所に置いておくことも大事なことだと思いました。




 


  また、子どもたちだけでなく保育者も一緒にイメージや気持ちを共有し、世界に入り込むことはとても大切なことだと思いました。友達の存在と同時に保育者の存在も大きい二歳児にとって、保育者も一緒に思いきり身ぶり表現やごっこ遊びをすることによって、子どもたちも「楽しそう!やってみたい!」という思いが生まれるのではないかと思います。身ぶり表現やごっこ遊びの場面だけでなく、保育のなかで、子どもと一緒に楽しむという姿勢は大切なことだと感じました。




 


 

12/09/2016

二歳児保育の「一緒に心を動かす」を支えるもの (山地一輝)


 失礼します。教育学部人間発達環境課程人間環境教育コース4年の山地一輝です。今回は保育内容の指導法(人間関係)の授業時に『「自然とともに展開した二歳児保育-絵本の世界を楽しみながら「自然」とつながろう』という事例(愛知:いりなか保育園ぞう組の保育実践 松本博雄 2013 『二歳児保育の「一緒に心を動かす」を支えるもの』 現代と保育85106-123)をとりあげ、みんなで討論し合い考えたことについて書きたいと思います。


 この事例に登場する保育者は、担当する二歳児クラスの子どもたちの遊びを豊かにすると同時に、自然への関心を育て、より楽しく遊ぶにはどのような実践が必要かを考えました。そこで、保育者は一歳児クラスの後半から子どもたちが大好きなおばけに注目しました。そして、保育者はおばけの登場する絵本を室内に用意したり、読み聞かせをしたりしました。それをきかっけにして、子どもたちはその絵本の世界のイメージを友達同士で共有し合い、様々な遊びや活動の中でおばけになりきって楽しむ姿を見せました。そして、子どもたちは絵本の中に出てくるおばけのおうちやおばけの好物であるクモの巣のイメージを身の回りにある自然に重ね合わせて、以前にも増して自然に対してワクワクした楽しい気持ちで目を向けるようになっていきました。


 この事例を読み、みんなで討論し合った中で私が考えたことは、二歳児の時期におけるごっこ遊びは他の年齢と比べると、遊びの発想が自由で、一つの遊びにみんなが自由に参加することができるのかなと考えました。この時期の子どもは三歳児以降に比べると、こだわりがあまり強くなく視覚的な影響が強いのではないか、という意見が出ました。だからこそ、事例中の子どもたちのように絵本のイメージをそのまま他の友達と共有することができ、そのイメージを保持したまま様々な自然にかかわることができたのかなと考えました。さらに、二歳児の時期は「そのものになりきれる」力も大きいと考えました。事例中の子どもたちのような本物のおばけになりきり遊びこむ姿にみられるように、自分がおばけになっているからこそ、よりリアルな絵本の世界を再現したくなって遊びが深化するのかなと考えました。


 この事例から、私は二歳児の子どもたちにとって、現実の世界と空想の世界の両方を充実させてあげることはとても重要なことだと感じました。上記の事例のようなこの時期特有の子どもの心性を大人が理解し認めることで、子どもの豊かな感性や関心をはぐくむ支援を心がけていきたいです。その際、まだまだ自分の力で友達と折り合いをつけることは難しい姿も見られると思います。大人が子ども同士、子どもと環境との橋掛けとなる支援を行うこともまた重要であると感じました。楽しそうなものに無意識に心と体がそれに向かい空想の世界に飛び込める、そんなかけがえのない二歳児の魅力を今回の事例から考えることができました。