日曜日, 6月 09, 2013

手が届きそうな「保育づくり」を目指して(松本・松井)

 少し時間が経ってしまいましたが、日本保育学会第66回大会(2013.5.11-12. 中村学園大学・中村学園大学短期大学部)にて、附属幼稚園の先生方と一緒に、以下のタイトルで研究発表をしてきました。

松本博雄・松井剛太・西宇宏美・九郎座仁美・水津幸恵 2013 幼児の学びから立ち上げる計画と保育づくりに関する研究 ―ラーニングストーリーを試行して― 日本保育学会第66回大会発表要旨集, 597.

 幼稚園や保育所における保育実践は、教科ではなく「領域」という枠組みを用いて、「遊びを通じての総合的指導」による学びの成立を目指す営みであると言われます。よって、“よい”保育実践とは何か、言い換えれば保育の「質」を検討するうえで、「遊びの質」とそれを介して生じる子どもの経験を問うことは欠かせませんし、そのための具体的な手立ては、保育をつくるうえで必須のものとなります。
 いっぽう、この種の問題を考えるうえでもう一つ鍵になるのが、保育実践とは、非常に多くの保育者によって担われているという事実です。つまりそれは、力量ある一部の実践者が担うことのできる“正しい”手立てを追求すること以上に、多様な保育環境を背にしている保育者が、ひとりでも多く実践できるような手立てが求められるということに結びつきます。
 そのような観点をふまえ、今回の報告では、ニュージーランドで用いられている「ラーニングストーリー」を参考にアレンジした方法で、私たちなりの保育づくりのありようを考えてきました。
 保育の記録と計画において、世界的に見れば「個」の変化に焦点をあてたそれが多いいっぽう(ラーニングストーリーもその例外ではありません)、「クラス」を単位としたそれが積み重ねられてきた歴史があるのは、日本の保育の特徴ではないかと思います。これらをどのように交錯させていけるのか。さらには私たちのこれからの保育にどのように結びつけていけるのか。研究グループの課題として、引き続き検討していきたいと思います。

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