1/27/2013

子ども間の「協同」を支えるモノの分析(松本・松井)

 年明けから走りっぱなしでようやく一段落です。
 その間に、以下の論文が掲載された「保育学研究」(日本保育学会発行)が届いていました。

松本博雄・松井剛太・西宇宏美 2012 幼児期の協同的経験を支える保育環境に関する研究:モノの役割に焦点をあてて 保育学研究, 50(3), 53-63.

 幼児期の協同的な経験を促す保育環境づくり、別の言い方をすれば、友だちと一緒に取り組んだ経験が、次の「もっとやってみよう」という思いへと結びつくにあたって、保育における「モノ」がどんな役割・機能を果たしうるかを分析しました。

 取り上げたのは、香川大学教育学部附属幼稚園の3歳児クラスと4歳児クラスの事例。
 3歳児では、廃材を用いた製作がクラス全体に一挙に広がるプロセスでの、保育者による援助の内容とタイミングが秀逸です。
 4歳児では、「かまぼこ板」の積木を使って、「それ、ビー玉は絶対転がらないしょ」という難しいコースづくりだからこそ全力投球する姿に、この時期ならではの世界を改めて感じることができます。

 論文本体以上に!?、本文中の実践記録が魅力いっぱいです。
 実は、この面白さを多くのみなさんに伝えたい!という一心でまとめたようなものです。

 学術論文ということで、大学図書館経由での入手になると思います。
 入手が難しいけれど、興味をもっていただける方がおりましたら、松本・松井宛メール、コメント等で連絡いただければ幸いです。抜き刷り等をお送りしますね。

1/17/2013

本年もよろしくお願いします(松本)

 新年となってから既に半月が経ってしまいました。
 今更ですが、本年もよろしくお願いいたします。

 ここしばらく感じていることですが、教育や保育、子育てを語るうえで、立場を問わず、現状に対するネガティブな言説がとても多いな、と。
 「子どもが育ちにくい現代……」をはじめ、たとえば「教育再生」という言葉などはその最たるものの一つでしょう。そこには、なんだか現状はよっぽどまずくて、何かそれを根底的に覆す解決策が必要だ、という、一見美しい流れが想定されているように感じるのです。

 でも、少し考えてみれば、一般に、何かがきれいに解決されるようにみえるソリューションも、それをすることで失ったり、別の何かを生んでしまうということを、必ず伴うはずです。
 いろいろな要素と情報、価値が絡み合った私たちの生きる社会は、「問題」そのものの成り立ちも、どこかの敵をやっつければ済む!というような一面的なものではありません。リーダーによる鶴の一声で解決するように見える問題は、それがなくても解決する程度の問題だったか、新たに別の問題を生むか、どちらかと言っては言い過ぎでしょうか。
 ある症状に良く効くように見える薬は、別の症状を誘発する(=副作用)ことがある。
 このことは、教育や保育、子育てに限らず、もっと広い場面で言えることでしょう。

 魔法はありません。でも、できることはきっとあります。
 先日の記事に書いたように、時間をかける中で、少しずつ見えてくる何かもあるでしょう。
 私たちも、子どもや保育、子育てを支え、背中を押せる研究を、「楽しさ」をキーにより進める一年にしたいと思います。