木曜日, 12月 13, 2012

先の予想を上回ることこそ、保育の魅力(松本・松井)

 冬らしく風の冷たい毎日が続きますね。
 さて、11月の終わりから12月の頭にかけて、松本・松井の連名で、次の論文をまとめました。

・松本博雄・松井剛太 2013 保育における子どもの「学び」を記述するために―「第一の学び」と「第二の学び」に着目して― 香川大学教育学部研究報告第1部, 139, 印刷中

 小学校以降と異なる、保育ならではの「学び」の捕捉と記述の方法、その成立を担保するために必要な条件の検討を目的としました。国際機関であるOECDによる国際比較調査によれば、ECEC(Early Childhood Education and Care: つまり保育)における「学び」の示し方の方向性は、いわゆる教科教育型の指標から保育を通じて学んだことを捉えようとする「就学準備」型と、そうではなく、幼児期を広い意味での人生の準備段階と捉え、そこで学ぶことを捉えようとする「ソーシャルペタゴジ―」型の2つに分けることができます。
 ここで、保育ならではの「学び」を捉える可能性をもつのは後者です。それを具体的に位置づけるためには、事前に予想・計画された「第一の学び」に加え、事前の予想を超える子どもの姿である「第二の学び」の記述がポイントになっていくことを、2つの事例を引用しながら示しました。
 個人的には、『現代と保育』(ひとなる書房)83号に掲載させていただいた連載『保育を通じて子ども達は何を「学ぶ」か』の延長戦のような感じでまとめたつもりです。
 ちなみに事例は、『現代と保育』同号に掲載の、熊本・やまなみこども園のものと、香川県三豊市立下高瀬幼稚園のものを掲載させていただいています。(拙稿はともかく)どちらも大変魅力的な保育実践例で、保育の魅力と面白さが伝わると思います。

 3月には刊行される予定です。学術論文ということで、大学図書館経由では手に入ると思いますが、一般には手に入りにくいと思います。
 興味をもっていただける方がおりましたら、松本・松井宛メール、コメント等で連絡いただければ、刊行後にお送りいたします。

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