9/24/2012

中学生と乳児のふれあい体験事業(2)(常田)

2012年9月21日に第2回目の「ふれあい授業」がありました。四国新聞にも様子が載っていましたね。

 今回は実際に赤ちゃんとお母さんたちに来てもらって、中学生が赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりといった、ふれあい体験をしました。
 まだ首も据わっていない2ヶ月の赤ちゃんを抱っこして思わず「うわぁ…」とため息をもらしていた中学生たち。安心しきって自分に全身をゆだねてくれる赤ちゃんの存在に感動していました。でも、ちょっと月齢の高い赤ちゃんは、慣れない環境・慣れない人に緊張! 大泣きしてしまって、中学生たちも困り顔でした。育児の大変さも感じてもらえたかな、と思います。

思春期の多感な時期に「人とのつながり」を実感できる体験は貴重ですよね。実際に授業に参加した中学生の反応を見ていると、こうした体験の大切さがよくわかります。

次は、自分たちの生い立ちも振り返ってみて、さらに「子育て」について考えてみる予定です。次回も楽しみです。

9/20/2012

中学生と乳児のふれあい体験事業(常田)

 昨日、高松市が行っている「中学生と乳児のふれあい体験事業」の関係で、高松市内の中学校へおじゃまして授業をさせていただきました。
 中学生に向けて授業をするのは初めての体験…ちょっと緊張しました。でも、皆さんとても熱心に話を聞いてくれて、簡単な実習にも積極的に参加してくれました (^^)。
 この事業(授業)では、中学生の皆さんに、赤ちゃんのこと・子育てのことに少しでも興味を持ってもらうとともに、自分たちも今まで大切に育てられてきたのだということに気づいてもらえたらと思っています。
 次の時間では実際に赤ちゃんとお母さんに来てもらって一緒に遊ぶ体験をしてもらう予定です。次回が楽しみです。

9/18/2012

専門職としての保育職への理解を拡げ、乳幼児の豊かな育ちを支える(松本)


少し前ですが、教育学部の後援会報に、松本自身の研究紹介として小文を書きました。
みなさんとシェアできれば嬉しく思い、以下に掲載します。
しばらく、時間をかけて考えていきたいと思っているテーマです。
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 「保育」や「保育職」という言葉を目にしたとき、どのようなことが思い浮かべられるでしょうか。幼稚園は「幼児教育」、保育所は「保育」とイメージされる方もいるかもしれません。しかしながら学校教育法には幼稚園の目的として「幼児を保育し……」ということが明確に規定されています。「保育」は保育所での営みを指す言葉としてはもちろん、幼稚園での営みを指す言葉としても大切に用いられてきたという歴史的経緯があります。つまり、「保育」とは幼稚園・保育所を問わず、広く乳幼児の発達と生活を支える営みとして、また保育職とは、幼稚園教諭・保育士をはじめとする、「保育」を通じて乳幼児と、それを取り巻く家族を支える専門職を指すと考えるのが適切な見方でしょう。
 ところで、この「専門職としての保育職」の営みは、一般的にはわかりにくい面があるかもしれません。「教科書」に代表される、系統的教授のためのカリキュラムが明確に定められ、授業前にねらいが明示され、その達成が個々の教科別にテストを通じ子ども毎に測定される義務教育以降のシステムに対し、幼稚園や保育所におけるそれは一見わかりにくいものです。ときにその実践は「ただ子どもたちと遊んでいる」ように見えることもあるでしょう。
 しかし実際には、専門職としての保育者は「遊びを通じての学び」を念頭に、いわば“考えて”子ども達と遊んでいます。たとえば1歳半ころを境に盛んになる、話し言葉の獲得に対する援助を考えてみましょう。それは、言葉そのものを大人から教えられて達成されるのではありません。言葉はないが伝えようとする「気持ちのやり取り」の枠組みの出現が先行し、それに具体的な言葉が追いついていく形で獲得されていきます。いわば私たち大人が、言葉の通じない国を訪れた際に、まずは「何とか言葉を伝えようとする」ことから始まるプロセスを再現するかのようにです。
 ここから示唆されるのは、話し言葉の豊かな獲得を支えるために必要なのは、言葉そのものを一生懸命大人が子どもに教示することではなく、まずは子どもが大人と「思わずやりとりしたくなる」場面をいかにつくり出すかがポイントになるということでしょう。素敵なオモチャよりも、大人が使っているペンや携帯電話に夢中になるように、この時期の子どもにとって「大人の姿」は何より心を惹かれる存在です。よって、子どもの目の前で大人が楽しそうな姿を見せたり、子どもの遊びに共感したりすることが、この時期の子どもの“学び”を前進させ、話し言葉を豊かに獲得するための土台となっていきます。
 目の前の子どもの「今」の姿から出発し、発達その他の手がかりを用いながら「次」を見出し、子どもが夢中になれる世界を提供することで「もっとやってみたい!」という一歩先の学びへと結びつけていく……乳幼児期ならではの豊かな学びの世界を保障し、それを少し前に進めるための発達心理学的な手がかりと、それを用いて専門的営みとしての保育および保育者のあり方を探ることが私の研究スタンスです。

9/13/2012

心理学は「答え」を提供するのか?(松本)

 少し前ですが、悩みながらとある論文を書いていました。
 特集号に与えられたお題は「実践に『役立つ』心理学の専門性」という、少しやっかいなものです。

 「現場での問題解決」に役立つ研究には限界がある、というのは、心理学に関係なくよく言われます。それは、どんな研究でもそうですが、研究は何らかの社会背景、利害関係という文脈を背負って成り立つものだからです。「より強力な兵器を開発するための研究」 と戦争とを切り離すことができない、などが、わかりやすい例でしょうか。
 もっと身近な、心理学に近い例、たとえば「『小1プロブレム』を解決するための研究」の例で考えてみます。これは一見「役に立つ」ようにも思えます。
 ですが、この研究からは「そもそも『小1プロブレム』という視点から1年生の姿を記述すること自体が、1年生のある側面(例:かわいらしい姿)を見えなくさせているのではないか?」と問うことができません。その問題の成り立つ基盤を問えない点が、問題解決研究の限界、というわけです。

 では、「現場での問題解決」でなければ、心理学に何ができるのか。
 次に考えられるのは「問い直し」ということかもしれません。
 先の例を再び引けば、「『小1プロブレム』とよく耳にするが、それは本当に増加しているのか:それは“そう見ようとする”側の信念に過ぎないのでは?」という感じでしょうか。
 データという裏付けをもって、実践現場にこういった“正しい”問い直しをしていくことは、学問の大切な役割の一つにちがいありません。

 ただし、このときに一つ、気になることがあります。
 それは、 「正しい指摘」がヒトに力を与えるのかどうか、ということです。

 正しく指摘されることで、ああそうか、と間違いに気づき、自分のモノの見方を昨日までと変えていける。そういう方ももちろんいると思いますし、それ自体は大切なことでしょう。
 とはいえ、正しすぎる指摘に、へこんだり、反発したりするのも、またヒトらしさかもしれません。相手の指摘の正しさをうすうす感じているからこそ、葛藤したり、素直になれないこともあるかなと思うのです。恥ずかしながら、自らの生活を省みても、そういうこともあるかな、と。

 「実践に『役立つ』心理学の専門性」というお題を考えてきたのでした。
 このとき、実践の現場で日々の営みを担うのは、心理学者ではなく、現場にいる一人ひとりの先生方です。
 そう考えると、心理学の役割は、学術的なバックグラウンドから“正しさ”をただ単に供給することではなく、そこでの問い直しを、実践の現場で日々奮闘している方々の「もっとやってみたい/工夫してみたい」という気持ちの背中を押すこととを結びつけられているかがポイントではないかと思います。

 「問題解決」型と「問い直し」型は、その水準は異なりますが、“答え”を実践現場に供給しているという点において共通していると感じます。
 “答え”ではなく、希望をもってもっと考えたくなる/もっと子どもの面白い姿を見たくなるような、「良質の問い」を提起すること、そのための裏付けとなる研究を進めることが、「実践に『役立つ』心理学の専門性」ではないかと考えています。(心理学に限らず、学問一般に言えることかもしれません)

……という内容を書いたものが、以下の論文です。
雑誌「心理科学」に掲載され、12月に刊行の予定です。
学術論文ですが、 ご関心があれば、お読みいただけると嬉しいです。



松本博雄 2012 実践に「役立つ」心理学の専門性とは? ―「答え」を超え「良質の問い」の創造へ  心理科学, 33(2), 印刷中.

9/06/2012

全国保育合研:1歳児保育分科会報告(松本)

 8月に開催された、第44回全国保育団体合同研究集会@兵庫の1歳児保育A分科会で世話人を務めた関係で、分科会のまとめを執筆しました。
 魅力的な実践報告のおかげで、充実した会になりました。雰囲気が少しでも伝わればと思い、以下に掲載します。
 報告集は、雑誌「ちいさいなかま」の臨時増刊号として、12月に刊行される予定です。

 来年は神奈川だそうです。(実は、私のふるさとでもあります。)
 保育に携わるみなさん、一緒に足を運んで、元気と前向きな気持ちをシェアしに行きましょう~!
 保育者も、保護者も、たくさんの方が参加している会です(今年は確か、述べ1万人超!)。


たかまつ地域のみんなで子育て新聞4号の記事を書いています(常田)

10月初旬発行予定の「たかまつ地域のみんなで子育て新聞第4号」の記事をただいま作成中です。
今回は取材記事がたくさん掲載されるので、読み応えがありますよ。
みなさんのお住まいの地域の記事はあるでしょうか? お楽しみに。

取材に行くと、その地域の「人柄」がよくわかります。
国道32号線の南北で気質が分かれているといううわさも?!

グローバル化社会と言われていますが、実際には人と人のつながりが現実を変えていくのだなという気がしています。

皆さんのお手元に新聞を届けられるよう、もうひとがんばりです!

9/03/2012

“見方を変えれば、子どもはもっとおもしろい!”(松本・常田)

 松本&常田と、川田学さん(北海道大学)、赤木和重さん(神戸大学)の4名で、この8月に、0歳から3歳の発達と保育、子育てを結ぶことを目指した本を出版しました。

松本博雄・常田美穂・川田学・赤木和重
0123発達と保育―年齢から読み解く子どもの世界
ミネルヴァ書房


 執筆者4名に加え、主な編集を担当いただいたミネルヴァ書房・西吉さんも、乳幼児子育てまっただ中の30代。コラムを書いていただいた保育者も、その他編集やブックデザインでお世話になったみなさんも揃って20~30代というメンバーで、「今」と「これから」への思いを込めて作りました。
 この記事のタイトル“見方を変えれば、子どもはもっとおもしろい!”は、本の帯に書いていただいたキャッチコピーです。
 さまざまな不安が語られることが多く、他者を過剰に攻撃し、おとしめるような言説も跋扈している時代ですが、それでも明日はやってくる。後ろを向いて過ごしても、前を向いて過ごしても、ヒトひとりの人生に許される時間は、そう大きく変わるわけではありません。
 「正しさ!」よりも「おもしろさ!」
 今日そして明日の保育や子育て、そして人生の“オヤツ”としての発達心理学を味わい、楽しんでいただければ幸いです。

 本書に素敵なエピソードそして写真をたくさん寄せていただいた保育者のみなさん、保護者のみなさんに、この場をお借りし改めて感謝いたします。ありがとうございます。

 読後の感想がございましたら、当Blogやメール等でお寄せいただけると嬉しいです。
 よろしくお願いいたします。